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『金持ち父さん貧乏父さん』書評 - 台湾で実感した資産形成の重要性

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    台湾に住んでいると、株式投資や不動産投資をしている人々を頻繁に見聞きします。友人同士で資金を出し合い、レストランや台湾式酒店(バー)、マンションなどに投資をするケースもよく耳にします。このような光景は、日本の保守的な片田舎で育った私にとっては非常に驚きでした。日本では多くの人が会社の給料だけで生活し、投資と聞けばギャンブルと同じようなイメージを抱く人がほとんどでした。  しかし、時代は変わり、日本でも副業や投資が推奨されるようになっています。これは、経済が右肩下がりになり、会社の給料だけでは生計を立てるのが難しくなったことを反映しているのでしょう。  そんな状況の中で読んだロバート・キヨサキ氏の著書『金持ち父さん貧乏父さん』は、お金に対する考え方を大きく変えるきっかけを与えてくれる一冊でした。本書は、著者が“金持ち父さん”と“貧乏父さん”という2人の父親から学んだ教訓を通じて、富を築くための具体的な思考法や行動指針を提示しています。 『金持ち父さん貧乏父さん』の主なポイント  お金のために働くのではなく、お金を自分のために働かせる労働収入だけに頼らず、投資やビジネスを通じて資産を増やし、経済的自由を得る重要性が説かれています。  資産と負債の違いを理解する本書では、資産はポケットにお金を入れてくれるもの、負債はポケットからお金を取っていくものと明確に定義されています。これを理解し、正しい資産形成を学ぶことが推奨されています。  財務教育の重要性学校では教わらないお金に関する知識を自ら学び、経済的な判断力を養うことの必要性が強調されています。 台湾で感じた“お金”への意識の違い  本書を読む中で、台湾と日本のお金に対する考え方の違いについて改めて考えさせられました。台湾では、中国からの脅威に常にさらされている影響もあり、人々は自分たちの国や政府に過度な期待をせず、自己防衛の一環として資産形成や投資に積極的です。また、教育への投資も非常に重要視されており、高学歴で安定した職を得ることに加え、労働収入だけに頼らない生活を目指している人が多い印象を受けます。  一方、日本でも、経済の停滞が続く中で海外へ活路を求める人々が増えています。私たちもまた、どこに住んでも生きていけるよう、経済的自立を目指し、お金に対する考え方を変える必要があると感じます。 『金持ち父...

『スマホ脳』書評 — スマホ脳を読んで考えた台湾のスマホ事情と私たちの未来

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  近年、スマホの普及は私たちの生活に計り知れない影響を与えています。便利さや効率性を提供してくれる一方で、私たちはその影響を十分に理解し、適切に向き合えているでしょうか?特に台湾では、スマホが社会に与える影響が非常に顕著です。その良い面と悪い面、そして私が読んだ『スマホ脳』から考えたことをまとめてみたいと思います。 台湾におけるスマホの状況  台湾では、スマホは日常生活の中心的な存在となっています。公共交通機関の利用、買い物、飲食店での注文など、あらゆる場面でスマホが活用されており、「モバイル決済」や「QRコード決済」の普及によって現金を使う機会はますます減少しています。また、仕事においても、LINEを使った連絡やビデオ会議、チームの進捗管理など、スマホが効率的な働き方を支える重要なツールとなっています。  しかし、一方でスマホがもたらす問題も無視できません。特にSNSを利用した詐欺が深刻な社会問題となっています。台湾では、SNSを通じた投資詐欺が横行し、多くの人々が高額な被害に遭っています。ニュースでは、SNSで知り合った人物から投資話を持ちかけられ、最終的に数百万円をだまし取られる事件が頻繁に報道されています。このように、スマホが生活を便利にする一方で、悪意ある人々に利用されるリスクも増加しているのが現状です。  さらに、私たちの生活の中でスマホ依存が進む様子も目にします。たとえば、親子で外食している際、家族全員がスマホに集中して会話がほとんどない場面や、ベビーカーに乗った幼い子どもがタブレットに夢中になっている姿は、もはや珍しい光景ではありません。 『スマホ脳』の内容  アンデシュ・ハンセン著『スマホ脳』は、スマホが私たちの脳に与える影響について掘り下げた一冊です。この本では、スマホがいかに私たちの注意力や記憶力に影響を与え、脳の構造そのものを変えてしまう可能性があることを警告しています。たとえば、スマホを長時間使うことで、短期的な情報に依存するようになり、深く考える力が低下することが示されています。  一方で、スマホの利便性についても触れています。情報を瞬時に得られることや、社会的なつながりを維持する手段として非常に便利であることは否定できません。しかし、便利さの裏には「常に接続されている状態」がもたらすストレスや不安が潜んでおり、特にSNSを通じ...